この記事は、「個性とモチベーション」というテーマで良く知られている、あるいはおそらく愛されているモデルや信念をテストするために、私たち個人のモチベーションの起源を考察していくシリーズの始まりです。
作者:ラルフシナ(Ralf China)ドイツのストラクトグラㇺのマスタートレーナー
イメージ: Alexas / Pexels
「モチベーション」のトピックは根強い人気がありますが、コロナ禍によってさらに人気が増しました。
Google検索で「人々 モチベーション」を検索すると約850万件のヒットがありますが、「コロナ モチベーション」では約6,800万件の検索結果が表示されます。多いと思われるかもしれませんが、「モチベーション 新しい仕事」の検索結果は更にはるかに上回っており、約4億8000万件もヒットします。これは明らかに多くの人々が気にしているからです。
そのため、成功するための方法やそういったセミナーが巷に溢れており、「自分や他の人のモチベーションを上げるにはどうしたらよいか」という質問に対して、シンプルでもっともらしい答えを提供しています。
しかし、この質問は正しいのでしょうか? 人々のモチベーションを上げること、つまり、今までにない巧みな方法で他の人のモチベーションを上げることは可能なのでしょうか? 人々のモチベーションを永続的に上げ続けることなどできるのでしょうか?
たとえば、後で後悔するような衝動買いをしたり、普段は静かなタイプの人なのにサッカースタジアムでは大声で歌ったり、または刺激的なショーで椅子の上に立って他の人たちと声をそろえて叫んだり、私たちの行動は周りの環境や演出によって、大いに影響を受けることを誰もが経験していると思います。そして、人の行動にも影響力があり、それを受けて気持ちや感情にも影響を与えることができます。しかし、これらはモチベーションとは何の関係もありません。ここで、特定の状況で私たちの精神状態を変えることは、長続きするモチベーションの維持と同じことなのです。それは、2時間のお料理教室が個人の食生活を完全に変えることと同じくらいモチベーションと関係があるのです。
したがって、「どうすれば、目標を達成するまで自分や他人をモチベートできるでしょうか?」という質問は正しい質問ではありません。「私や仲間の思考や行動を動かしている本質的な動機は何か、そしてその動機をどうすれば最も有効に活用できるのか」と尋ねる方がはるかに良いでしょう。したがって、モチベーションに関する議論は、「どうすれば、自分に行動を起こさせる動機が何かを知り、活用できるのか?」と「どうやってモチベーションが下がることを避けるのか?」という2つの主要な質問に絞ることができます。そして、これは私たち自身と他の人も当てはまります。何が私たちを動かしているのかを本当に理解したいのなら、まず自分の動機を認識して理解しなければなりません。したがって、優れた自己認識こそが私たちの個人的なモチベーションを基本的に理解するための鍵なのです。そして、人間の本性を十分知ることで、私たちは自分の個人的な動機とは異なる他の動機を認識し、認め、尊重することを学ぶことができます。
もちろん、モチベーションアップの為のイベントに参加し続け、それによって個人的に力を引き出すことができたなら、それは大変良いことです。フットボールの試合に行ったり、田舎を散歩したり、ただ静かに考えたりするのと同じように、個々のモチベーションを高めるポジティブな活動はすべて、私たちに力を与えます。
しかし、こういったモチベーションアップのイベントにいくら参加し続けていても、上手くいかない場合があります。例えば「飛べないペンギンを白鳥のような飛べる鳥に変えようとする」ような試みです。同じ鳥類でも、このような性質や気質の異なるものへの変化は現実的には非常に難しいのです。
ストラクトグラムによって、自分の性質・気質を理解しておくことで、効果的に自分の成長できる方向にモチベーションを高めていくことができます。